カス上がり対策
カス上がりとは
プレス加工をする際、パンチで材料を加工すると抜きカスは本来抜き落とされるのですが、パンチと一緒にカスがくっついて浮き上がってしまい、材料の下に入り込む事があります。この現象を「カス上がり」と言います。
この状態でストリッパーを押しこみますと、カスによって材料に打痕がついてしまい製品不良を起こしたり、金型にダメージを与えたりする可能性があります。
このカス上がりを早期検出することで
・不良品生産数の低減
・不良品の流出防止
・金型損傷の低減
を図ることができます。
当社ではカス上がり対策として、ストローク毎のストリッパーの変化量を測定する事で、カス上がりを検出する装置PS-482/484/488、PS-474、PS464/462を提供しております。
*当社のカス上がり検出器=ストリッパー変位検出器
当社のカス上がり検出器の検出方法
一般的に、カス上がり検出器は、金型に設置した渦電流式近接センサーを用いて、ストロークごとのストリッパーと渦電流式近接センサーとの最近接距離(およそ下死点付近)を監視し、カス上がりによる最近接距離の変化を捕らえ、プレス装置に異常を知らせます。
当社の下死点検出器(カス上がり検出器)は、ストロークごとのストリッパーと渦電流式近接センサーとの最近接距離(サンプル値)を取り込みます。
取り込まれたサンプル値を平均化し、基準値を作成します。
作成された基準値とサンプル値との差(変位)が設定範囲を超えた場合、カス上がりと判定します。
設定範囲は、基準値に対して+、-の値を設定することができます。
基準値は、ストロークごとに変化します。そのため、材料の板厚変動、プレス回転数変動による下死点変動など、カス上がりを検出する場合にノイズとなる要因の影響を受けにくく、カス上がりによるわずかな変位を捕らえることができます。
*当社の渦電流式近接センサー
基準値(前々回と前回のサンプル値の平均)は随時更新され、
- 材料の板厚変動
- プレスおよび金型などの温度膨張による下死点の変動
- 検出器の温度変動による内部電圧のドリフト